私は家庭教師をしていたことがあるのですが、その上で生徒や家族から喜ばれたことがいくつかあります。
教えていたのは小六の女の子でした。
喜ばれたことのひとつは、ご褒美シールです。
1日の勉強が終わったあとでひとつシールを上げていました。
生徒からそれほど反応はなく「子どもっぽいと思われているかな」と感じていたのですが意外と喜んでいたようです。
一度やめてみたら「今日はシールはないの」と聞かれ、嬉しくなってしまって次のときに新しいシールを何種類か用意してしまいました。
私自身が子供のとき、ピアノのおけいこが終わった後にノートに貼ってもらったり、学習塾で満点を取ったら貼ってもらっていました。
シールをもらうと達成感があって、なぜかテンションが上がったので自分も使ってみたのです。
「今の子供はそんなもので喜ばないのでは」と思っても、意外と喜んでくれます。
シールは1日の勉強にキリがつくのと、「集めたいから頑張ろう」というコレクター精神に火がつくのもあるのかもしれません。
もうひとつは、なんということのないおしゃべりが喜ばれました。
小六の女の子というともう難しい年頃で、親には素直に話さない子もいます。
その分、他人であり「知らないお姉さん」という立場の人の方が素直に接してくれることもあります。
生徒とアイドルや漫画についていろいろとむだ話をしたあと、私はお母さんとも話をしていました。
他人の家庭教師に「素直でいい子です」と言ってもらえると安心もするようでした。
自分も親からは扱いにくい子供だった自覚があるので、経験談も含めて生徒のお母さんと話すことも楽しかったです。
教師でも親でもない他人が関わることは、子供の視野を広げるためにも役立つようです。
生徒本人からは最後まで心を開いてもらった気はしませんでしたが、中学に無事進学したあと一度会ったらていねいな挨拶をしてくれました。
心を開いてくれていなかったのではなく、やはり照れだったようです。
「大人になったな」と感じてうれしかったです。